#01 手紙

 これは、私(夫)が最も大切にしているものといっても過言ではありません。ハリウッドの黄金期1940年代から1960年代にかけて活躍したアメリカの映画俳優ジェームズ・スチュワート氏からいただいたファンレターの返事です。
 ジェームズ・スチュワートは私の最も好きな映画「 素晴らしき哉、人生!」に主演しています。そう、このホームページのタイトルは、この映画の原題「It's A Wonderful Life!」を頂いたものなのです。
 この手紙の消印が1991年10月22日となっていることから、こちらからファンレターを送ったのは同年9月くらい、私が大学4年の頃だったと思います。イラストレーターの和田誠さんがやはり彼が好きで、彼のイラストを送ったら返事が帰ってきたという内容の対談を読んで、便せんに3〜4枚くらいだったでしょうか。彼のイラストを交えた英文の手紙を、和英辞典片手に書いて送りました。それが残ってないのが残念ですが、「私はあなたのこの映画が好きだ」とか「あの共演した女優も素敵だ」とか「僕もあんな風に生きたい」とか、まあそのような事を書いたんだと思います。
 ある日突然、実家の日向から電話が来て、手紙が届いていると。送ってもらって見てみると、そこには直筆でお礼の文面がありました。いやあ、嬉しかったです。マネージャーや取り巻きのひとりが書いたんだと言う心無い友もいましたが、大昔の自分の映画について遠い日本から間違いだらけの英語で届いた手紙に、ちょっと返事でもって気になったんじゃないかと私は信じて疑いません。若かりし頃の彼のサインの載った本を持っており、見比べて見ると若干無理があるようですが、なんのなんの、長い年月は筆跡すら変えてしまうもの。そっと本を閉じました。
 彼は1997年7月2日に89才の生涯を閉じましたが、この手紙は今でも、この文面を書いているパソコンの横に大切に飾ってあります。「素晴らしき哉、人生!」のテーマである「友あるものに敗残者はいない」という言葉は私の座右の銘でもあります。

<以下英文を転記>
 Thank you for your wonderful letter. The thing you said about my work mean a great deal to me and I am grateful to you. I send my heart wada and may you have a wonderful life.
 Sincerely Jimmy Stewart

<訳 和田敏法>
和田敏法さんへ
 素敵な手紙をありがとう。私の作品についてあなたが手紙で言ってくれたことは私にとって大いに意味のあることで、大変感謝しています。和田さんの人生が素晴らしいものとなるよう、心からお祈りいたします。
 ジェームズ・スチュワート

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