今日、イチローはメジャーリーグの年間最多安打記録を更新しました。まずは、この歴史的な日が土曜日で、ライブでその瞬間を観ることができたことを、誰にともなく心から感謝します。 私はもともとイチローの大ファンではありませんでした。私は、海外で日本選手が認められ、活躍する姿を見ると自分でも考えられないくらいの興奮を覚えます。Jリーグファンでもない私がジーコジャパンや中田英寿に熱狂したり、柔道や水泳を生で見たこともない私がオリンピックに一喜一憂するのもこのためです。 もうひとつ。私は「記録」や「データ」の類いが大好きです。理系だからとして片付けられないほどで、プロ野球の前日のホームランが黒丸に白字で表示されており、昨日誰がホームランを打ったのかが一目瞭然であるからというだけの理由で朝日新聞を購読しています。何対何でどちらが勝とうと別に関係ありません。誰が何本打ったのか、何割打っているのかが知りたいのです。イチローは自分が何割打っているのか、何本打っているのかをチェックしていないような発言をしています。私にはそれが信じられません。私ならベンチにまで計算機を持参するでしょうし、ライバルの数字を知るために毎朝、新聞に目を通すはずです。私はこれまで、イチローの速報サイトをクリックし続けてきたし、今後もそうするでしょう。 以上のことから、イチローがメジャーに挑戦してからというもの、シーズン中の私の最大の関心事は彼が打ったかどうかということであり、彼が打っている姿を見てアメリカ人が立ち上がって拍手を送っているかどうか監視し続けてきたわけです(実際、ヒットを打って走っているイチローよりも、喜んでいるアメリカ人をカメラは追って欲しいと思っています)。イチローのインタビューよりも、チームメートやライバル達のインタビューを聞くのが好きなのは、イチローを誉める言葉を彼等から聞くことに幸せを感じるのです。 今日のシアトル、セーフィコフィールド。4万5千人がイチローの世紀の瞬間を目撃し、心から感動している様子を私はテレビで眺めました。チームメートと抱き合い、シスラー一家と握手を交わすシーンはあまりに美しく、涙が止まりませんでした。スポーツを見ながら涙を流したのは、アトランタオリンピックの有森裕子ぐらいしか記憶にありません。私は本当に心から感動しました。毎日毎日、イチローのプレーを欠かさず追いかけてきたものだけが到達する境地に、私は達した自信があります。 宝ものの説明?そんなのはどうでもいいんです。今日の喜びを表現するために引っ張り出しただけですから。ただの市販の携帯ストラップです。 今日のこの日を、季節はずれのバーベキューでお祝いしました。あと2試合。イチローとイチローに熱狂するシアトルの人々を観て、もう少しだけ、この余韻に浸りたいと思います。 |
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